デザイン思考に共感!「21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由」

今回紹介するKindle Unlimitedの書籍は「21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由(佐宗邦威 著)」です。
“デザイン”と聞くと絵が上手いなどアーティステックなイメージを抱いてしまいますが、本来、デザインとは「設計=創り出す」という意味です。
本書のキーワードとなる「デザイン思考」は今までの延長線上にはない「まったく新しい事業、商品やサービス、プロセス等を創るやり方」を表します。
これからの21世紀のビジネスではイノベーションが求められ、そのイノベーションを担うのが以下の3つになります。
- Design(構想):人間の生活にとって理想的な姿を描く力
- Engineering(実現):理想的な姿への解決策を実現させる力
- Business(商売):解決策のインパクトを持続可能に最大化する仕組みを作り、人を動かしていく力
上記の3つが掛け合わさることでイノベーションにつながります。
新しいことを考えだす「6つの感性」
- 機能だけでなく「デザイン」
- 議論よりは「物語」
- 個別よりも「全体の調和」
- 論理ではなく「共感」
- まじめだけでなく「遊び心」
- モノよりも「意義」
そのためには不完全を受け入れてカオスな状態を楽しみ、より良い生活を実現するための課題を解決し作っていくことが重要になります。
デザイン思考プロセスに存在する4つのモード
個人的にはこの4つのモードが印象的でした。
- 旅人(リサーチ)
旅人のように非日常の場を訪れ、体全体を使って現場を感じ、好奇心を持ちながら普段自分が知らない世界に浸る。
感じた興奮を残しておくために、必死でメモを取ったり、写真に収めたりする。 - ジャーナリスト(分析)
旅から帰ってきたら取材後のジャーナリストのようにその旅の内容をメモや写真から振り返り、正しく伝えられる事実と自分なりに感じた解釈を左脳を使って分析し、腹に落として消化。 - 編集者(統合)
自分が旅で得た様々な事実や新たな切り口を刺激にしながら、ユーザーが生活の中で困っていることや価値観を雑誌編集者のように切れ味鋭いキャッチコピーと印象的な写真を使って1枚の絵で表現。 - クラフトマン(プロトタイピング)
イメージした世界観の中で実現したらいいなと思える商品やサービスなどのアイデアをクラフトマンのように手を動かしてカタチにして実現する。
これらを全て1人でこなす人はなかなかいないので、いずれかのスキルを持った人が集まってチームとなり、チーム全体としてプロジェクトを進めていくことが重要。
デザインリサーチ
ユーザーのニーズを理解すること以上に、「ユーザーの気持ちに共感できるようになる」「自分とは違う生活をしている人たちの生活文脈を感じる」ことが重要です。そのためには、いかに「自分たちの今の世界から飛び出て違う世界を感じるか」というマインドセットがポイント。
自分たちは、どんなことで困っている人の生活をどのように良くしてあげられるかという具体的なイメージをチーム全員で持てたら成功。
「どういうものを見たら楽しそうか」という自分たちの直感や意志などもリサーチの企画の際に入れ込むことが大事。
デザイン思考の実践方法の9つのヒント
- 自分が想像力を持っていることを信じ続けることを強く決意する。
- 日々、旅人のような気持ちで、周りの世界から新しい発見を探そうとする。
- 常にリラックスし、周囲にオープンな雰囲気をつくりだす。
- ユーザーに寄り添い、共感しようとする。
- まず、現場に行って観察しようとする。
- 「なぜ」を繰り返す。
- 目の前で問題が見えていても視点をずらして本質的課題に置き換える。
- 自分の想像力を応援してくれるネットワークをつくる。
- 偶然の出会いを大事にする。
まとめ
デザイン思考は「デザイン」と「ビジネス」をつなげる役割があり、右脳と左脳の両方を活用したハイブリット思考です。情報過多のデジタル時代の中で目の前にある情報を鵜呑みにせず、常に疑問を抱き、問題を解決していくことが21世紀に必要なスキルでもあり、イノベーションにつながるアイデアを生み出すきっかけとなるはずです。